「それは ジョンのいるところ」

作品を創る度にいつも考えることです。人は何を起爆剤として作品を創るんだろう。?

アトリエ祭から年末にかけて智恵子抄に没頭していましいたから、
そのときは光太郎の事をかんがえました。
愛する女性との「生活」「葛藤」。

去年の10月、私は武蔵野に思いを馳せていましたので、
太宰治のことをかんがえていました。。。
生きているそのリアルタイムが作品になっていく。。自分の事として。

 私も確かに高校生の時はそうだった。。。
自分の恋愛観で、音楽を観たり、詩をかいたりしていた。

 シャンソンの世界に入ったときは、訳詞を創るときがそうだった。

 でもふと気がつくと違う自分がいた。今、自分がここにいなくなっている。

いつからだろう???なんて考えた。ここに私は居ないのです。
これが、ジョンとの日々でした。

このごろ、高校生達とのレッスンはなにかと、問答になったりします。
わたしにとって、10年近く一緒にそだってきた人たちは「子供」ではなくモモの「Thinking Bell」なのです。
そうです。。銅鐸が2000年旅してきた姿を見たとき私は、銅鑼とは何だろう?と考え、それは「考える為のベル」と想いました。そしてこう名付け交響詩をつくりました。

 私のベルは一緒に歩いてきた人たちの心の鐘です。そこで響き合いながら、歌を歌うのです。

だから、私にとっての創作は、その道のりから生まれてきたもの。
そこには、私個人はいないような気がしています、歌を歌うときもそうです。

 だから「歌★人」なあんてへんな事を言い出したのだとおもいます。

ジョンをつくり出すとき、始めコンセプトを考えます。とにかく何も「ない」のですから、自由といわれれば自由ですが、途方に暮れるといえば暮れます。

頭の中に、ニュートークとニューオリンズの風景が行き交います。
9.11の前までは私はニューヨークに興味を持ちませんでした。歴史がないじゃない。。って。

ところがです!!あの日、たまたま、居酒屋にいた私でしたが、どこかの知らない人がニューヨークがたいへんだ、まるで映画だ。。といってはいってきました、そこから私の気持ちが初めてアメリカに直面しました。

エンシャントラヴを創るために沖縄にいった私。。。「あああ〜〜〜」そのひめゆりの塔に言葉がありませんでした。
何故??これは、ベルリンを訪れたときもそうでした、何故??人は??そして、9.11。。あああ、そして、ニューヨーカーにものすごく惹かれました。

それから三回の続けてのニューヨーク。。うん。そこには熱い人間がいました。
そして人種の哀感。。。ニューオリンズでの、ストリートで人に涙をさせる黒人。

 人はどうしたら生きていけるのかな?そして自分は??

 10年の月日に、ふと振り返ると仲間がいた。。。と私のなかから一つのフレーズができました。

 そこから、モモの本棚から、いろんなファイルが呼び出されるのです。

新宿のバー「いないないバー」で出逢った、龍角散の社長が ぱっと思い出されれました。
おもしろい人で、その晩は、モーツァルトと薬と女性論(??)で楽しく過ごしたことを思い出しました。
そのあと、龍角散の少し黴臭い様なレトロな社長室にうかがいました。
なんと、龍角散にはオ−ケストラも有るのです。

理学博士のこの方は、いろいろな著作を書かれていました。そのご、偶然が偶然と重なりあって、その社長さんの妹さんにお目にかかれました。そしていろいろな著作を見せていいただけたのでした。

そこで音楽劇の中のジョンがヘッドハンティングされる製薬会社「クリスウェル製薬」が誕生するのです。
ただ、製薬といっても、人の病気は薬では直せない。。。このテーマはテ−マなのですが。。製薬についての知識が必要です。
そこで、また新たな味方が現れました。教えさせていただいている方の中に、製薬のプロがいらしたのです。

薬はなんで表すのですか?とうかがうと数式だと言うことでした。
じゃあ。そう言うことをなんていうのですか?そこで有機合成という存在をしりました。
そこからまたモモの本の山事件です。昔は、理数が嫌いだったはずなのに、どうやら私は違うようです。
分からない、理解できないから、気持が悪かったんです。その概念がなんなのか??

そううか!!今思いました、人も理解できるまで追求するのはこのモモの中の理数の探究心かも???

 私は紀ノ国屋さんのいいお客さんです、後は、浜松町の本屋さん。。。

有機合成、DNA、チャクラ、いろんな本が山の様に積まれます。ここからが頭くるくる。10月は、そんなわけで、スケジュールが大幅にずれてキャストさんに御迷惑をかけました。
でも、がんばりましたよ、、毎日四時間睡眠で仕上げました。


 夜中の二時ごろ、デモテープをつくっていたり、言葉をはめこんでいたりするモモをみたら「ひゃああああ」です。
 でもいつも
気がつくと「あれええ??こんなのいつ創ったのかな??」って。
 
そして、今回の作品も数曲 降ってきた曲があります。

ジョンが薬学部の時、一緒に研究室ににいたキースを思い出して歌う歌。
どうしてこんな優しい曲が降ってきたんだろう、、っていうくらい実は自信作なんですよ。
古代への旅 決して振り返らないに続くんです。
そして今度はまだ降ってきました。
マダムの歌です、今回マダムは黙って存在感をださなくてはいけない役です。
演じるお二人は、だまっていちゃああもったいなおぞって言うくらいの芸達者。。

「歌がほしい〜〜〜〜〜〜いいい」との強い御希望。。。どうしようかな?っておもっていると、またまた降ってきてしまいました。

そしてもうひとつ、またジョンなのです、二幕頭、夕暮れ時に公園の噴水に寂しそうに座っているメアリーに歌います。
良いうたずぎるうううう。はははは。

僕のイメージですよね!!とやったら張り切っている タケマさん。
エンシェントラブのペペでビリオネアデビューの彼ですが、今回は多分「当たり役!!」誰もイメージしてないからよ。。っていったのですが、なかなか良いかも。。。(安心してると本番こけるかも)

あんまり一度に宣伝するとつまりませんね。あと面白いのが秘書達。。。

 自分で書きながら大笑いしてるのです。

 
とにかく、ジョンはみないとソンソン!!!

ダブルキャストで、一日めは、タケマさんのジョン、2日めは高校生チーム。
なんとジョンは芸大受験直前のマツモトクン。
実は松本君は黒人役で入試前の負担を軽くするはずでした。でも若手の方のジョンが、ドタキャン。
入試直前だけれど、ソルフェージュが多分間に合わないマッツンにとっては、何かに集中して歌は入試で頑張る方が向いてるね!ってことで主役にも挑戦。
しばらくビリオネアにも出られないんだから頑張ることに。。


土曜日が、夜公演、日曜日が昼。東京からでも日曜日の最終便で戻れます。

そうそう、ビリオネア始まって以来のバレエシーンと素敵な足のなが〜〜いお兄様バレエダンサーもこれは楽しみですよ。

ほんと、来年度も新作頑張りますが、ちょっエンジンのかかっているモモをみないとそんそん。。。

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